白雨の騎士

「…今日会ったの。優しそうでとても良い人よ。」


「そうか、俺も安心した。ハンスは本当の兄妹みたいだからかな。俺もアーデル家の恥にならないように明日の試験頑張るよ」


兄妹、か。。


**


翌朝、旦那様と奥様、それにハンスに見送られて城へ向かった。


最終試験に残ったのは10名。シド以外全員貴族や金持ちばかりだった。


城の中へ入ると、何やら辺りが騒がしかった。


「見つかりましたか?!」


「いいえ、何処にもいらっしゃらないわ」

あちこちで次女や兵士たちが慌ただしく走り回っていた。


何かあったのか。。?


試験会場へ向かうと、試験官が既に待っていた。



「…えー、本日最終試験の面接官であるオーギスト様が少し遅れると連絡がありました。少しお待ちください」



そう言って面接官も慌ただしく部屋を出て行った。