白雨の騎士

既に20人程相手にしているのに、表情一つ変わらないアンナとロイ。

シドの相手はアンナだった。

合図と共に剣が交わった。


シドの剣の腕に見ている人達から歓声が上がった。


アンナの隙をつき積極的に攻めた。


今まで毎日剣術を教わって来たが、アンナは男に引けもとらない腕前だった。



二人の勝負は互角だった。


試験管も合図を出すのを忘れ二人の試合を手に汗握りながら見つめた。



「…ッ！！」


アンナが一瞬躓き姿勢を崩した。シドはその隙を身落とさずにアンナの剣をはじいた。



キィィンッ！！！！


剣が宙に舞った。


カランカランと音を立てて床に落ちた。



「やめ！！勝者、シド。」



試験管の言葉にシドは剣を収めた。




このまま次に進めるのか分からない。だけど、近衛隊長と剣を交えただけで満足だ。


シドは今まで剣術を教えてくれたガストに感謝した。