数週間後ー


リアとアランが結婚式を行った。

アリスは祝電だけを送り式には出席はしていない。

二人の式から2週間後、アリスはリアをお茶に誘った。

よく晴れた日の午後、アリスの部屋のバルコニーにお茶とお菓子が用意された。


「おめでとう、リア」

アリスが声をかけると突然リアはその大きな瞳からポロポロ涙が零れた。


「うっよかった…私、アリス様に嫌われてしまったのかと…」


言われてみれば、あの離宮に行った日以来、話をしていなかった。


「ごめんごめん…。式の準備で大変だろうと思って。」


他の夫人達にまた嫌がらせをされないか心配していた事はリアには言わなかった。


「…ごめんなさい。。勝手に勘違いして」

アリスはハンカチを差し出した。

リアは受け取るとそっと涙を拭った。

午後の日差しが今日は一段と暖かく感じた。


「アランとの暮らしは落ち着いた?」

「はい。アラン様はとても優しくて…。毎日楽しいです。」


元気そうなリアを見てアリスは安心した。


「そうだ、私シドさんという人に助けて頂いたんです。アリス様付きの近衛隊ですよね?お礼を言って頂きたいのですが」


「あの夜の事は私も聞いたわ。大丈夫?もう変な事されてない?」


「はい。あの日以来、特に何も…」


アリスのサロンへの出席を禁止した事が広まってリアに嫌がらせをする者もいなくなったようだ。