アランの言葉にアリスは顔を赤くした。
「…関係ないでしょ、今はリアの話をしているの」
「何だよ。国王の思惑どおりじゃないか。でもいいじゃないか、早くこの事を国王に伝えろよ」
アリスは立ち上がると、窓の外を眺めた。
「…シドはね、私と結婚するためにお父様が近衛を募集した事知らずに入って来たのよ。近衛になる事が子供のころからの夢だったんですって。」
アリスの話を聞いて、アランも黙り込んだ。
アリスと結婚したら近衛隊は脱退しなければならない。
「…さぁ、分かったら部屋に戻りなさい。それと本当にリアを幸せにしてあげてよね。マリア以外で唯一私が仲良くなれそうな子なんだから。」
アランが出て行くとアリスは力なくベッドに腰かけた。
パンパンと両手で頬を叩き、一呼吸をした。
シドへの気持ちを初めて自覚してしまった。
「…シドの夢を私が消してしまうなんて嫌。。」
そう自分に言い聞かせるために静かに呟いた。



