白雨の騎士


「…シド、戻ったのか。今日まで休暇でしょ?」


「舞踏会があると聞きました。休みを伸ばしてもらってありがとうございました。僕も任務に就きます」


アンナはシドの表情を見て少し安心した。

ハデス家に行って良かったようだ。


「分かった。アリス様の護衛を頼む。詳しくはロイに聞いてくれ」


***


「リアってどんな子だ?」


夕方になり、舞踏会の支度をしているアリスの横で、アランが聞いた。


「とてもいい子よ。最近王宮に越してきてまだここでの暮らしに慣れてないわ。」

「ふーん。」

アリスはアランの返答に深く溜息をついた。

自分の奥さんになる子なのに、もっと関心を持ちなさいよ…

アリスは益々リアが不憫に思えた。


支度が整い、2人は舞踏会の会場へ向かった。

部屋を出ると外でシドが待機していた。


アリスはシドを見ると、少し足を止めてシドの前に止まった。


「戻ったのね」


「はっ!」


アリスもシドの元気そうな顔を見て安心した。