「驚きましたね。突然戻ってこられただけではなく、ご結婚を決意なさるとは」
紅茶を注ぎながらソフィアが言った。
どういう風の吹き回しか分からないが、アランが結婚を決めた事で、アリスは今まで以上に自分へのプレッシャーが強くなった気がした。
***
「よぉ、お帰りシド。」
シドは部屋で荷解きをしていると、ルイが部屋に入って来た。
「ルイ、ただいま。」
「そうだ聞いたか?アラン様が戻られたぞ。他国に留学中だったらしいけど今日突然。それで今夜は急遽舞踏会を開く事になったんだ。」
アラン様…?シドはその名前は聞いたことがなかった。
「…アラン様とは?」
「アリス様と同い年で昔から一緒に育ったらしい。ローガン様の御子息だ」
突然の舞踏会か。今日まで休暇の予定だったがシドは着替えてアンナのところへ向かった。



