白雨の騎士


「どうしたの、今まであんなに断って来たのに」


「まぁ俺も、そろそろいい歳だしな。」


コンコン


すると、ドアがノックされてメイドが1人入って来た。


「アラン様、ローガン様は一時間後にお戻り予定です。」

ローガンはアランの父親。アランが結婚を決めてくれてさぞ安心した事だろう。


「俺よりアリスはどうなんだよ。縁談を断った数は俺より多いだろ。」

アリスはうっと何も言い返し出来なかった。

確かに人の事は言えない。まさかアランに先を越されるとは思ってもいなかった。


「さっきオーギストに会って聞いたぞ。結婚相手にって男前ばかりの近衛隊が入団したんだって?国王もまたすごい事思いつくな」


「…煩いわね。私の事はほっといて。それよりいつ結婚するのよ?」


「さぁな。親父がこれから色々決めるんだろ。俺はそれに従うのみ。今夜舞踏会を開くらしい。その時初めて未来の奥さんとご対面の予定だ。じゃあ、俺はそろそろ行くよ。」


そう言ってアランはアリスの部屋から出て行った。


アランが結婚…


アリスは暫くぼーっと外を眺めた。

この事を知ったら城の夫人たちが大騒ぎするわね…