暫く走ると、大きな湖が見えてきた。
そのほとりにひっそりと佇む古い城が見えて来た。
この離宮は国王の祖父が、自分の妻が産後休む為に建設されたものだと聞いた。
城は蔦で覆われており、小さな庭園は手入れがされ花や苺の苗が植えてある。
城の前に白髪の男性とその隣に数名のメアドたちが出迎えていた。
「エディ!!」
アリスは馬車を降りるや否や、エディの呼ばれた白髪の男性に飛びついた。
「これはこれは、お久しぶりです。アリス様」
「またここに来たわ」
王宮でのアリス様とはまるで違い子供のようにはしゃいでいた。
リアもアリスに続いて馬車を降りた。
当たりを見渡し、すぅと息を吸い込んだ。
森が近くにあり、空気も美味しい。
「さぁリア。中に入って」



