気に入られようと取り入ることもしない素直なリアの事がアリスはとても気に入った。
「そうだ、明日から離宮へ休暇で行くの。リアもよかったら来ない?」
アリスの言葉にリアはとても驚いた顔をした。
「…ですが、せっかくの休暇を私なんかがご一緒して宜しいのでしょうか……」
「離宮はとても気が落ち着くところよ。きっと気にいるわ」
アリスの勧めに、リアはコクンと頷いた。
***
翌日、アリスはリアと共に馬車に乗った。
今日はとても晴れていて気持ちが良い日だった。
離宮は馬車で2時間程の場所にある。
アリスは年に2回ある休暇と、クリスマスは決まって離宮で静かに過ごしていた。
シドも馬に乗り、馬車の隣を走った。
「シド、休暇は実家へ帰るのか?」
隣を走るアンナが聞いてきた。
「ええ、その予定です。アンナ隊長もご実家へ?」
そう言えばアンナの実家の話を聞いたことはなかった。



