国王とルーン王子と兵士数名以外はホールから出る事になった。
入り口は人が押し寄せて全員が退室するのに時間がかかった。
キト達は意外にも他の招待客には何も手を出さずに全員がホールから出るのを静かに待っていた。
シドはアンナと他の近衛隊と共にアリスを無事に外に出ることが出来た。
「シド、私達は入り口で待機だ。今、ルカを呼びに行っている」
「分かりました」
シド達は気づかれない様に中の様子を伺った。
「キトが何故アナモネアの国王に恨みを持っているんだ。」
アンナの言葉にシドも頷いた。
「遅くなった」
そこへようやくルカが息を切らしてやって来た。
「ルカ。他の人達はホールから全員退避した。キトの要望で国王とそれにルーン王子が中に。キトは国王の座を降りろと要求していた。」
ルカは滴る汗を拭いながら、キトを見つめた。
「…キトは元々アナモネアで生まれたんだ」



