「アート隊長、キトの居場所が分かりました。今夜、町外れの酒場に向かいます」
「分かった。私も後で合流しよう」
すると、ソフィアがシド達の元に駆け寄ってきた。
「シド、アリス様がずっと探していましたよ。」
「すみません、別件で任務が出来まして…アリス様の護衛は他の者に任せます」
シドはホール中央で招待客からの注目の的になっているアリスとルーン王子を見ながら言った。
「あら、アリス様が聞いたらまたお怒りにかるわよ。」
するとソフィアはシドに近寄りコソッと耳打ちした。
「アリス様、どういう訳か貴方のこととても気に入ってるのよね。その任務が終わったらまた側にいて差し上げて」
「…はい。。分かりました。」
アリスに嫌われるような事をした覚えはあるが、好かれるような事をした記憶がないシドはソフィアが何か勘違いしていると思った。
曲が終わるとようやくアリスはルーン王子から離れられた。
「見て下さいまし。ルーン王子、やはりアリス様に気があるようですわ」
「いくらお気に召したからと言って、アリス様はアジュール国の時期女王。二人が結ばれる事は有り得ませんわ」
二人を見ていた周りの貴族達がヒソヒソ盛り上がっていた。



