白雨の騎士

一方、王宮ではー

「アリス様、そろそろお支度を。」

ソフィアはクローゼットを開けた。そこにはルーン王子から贈られたドレスがズラリと並んでいる。

それを見てアリスははぁっと溜息をついた。


「どれになさいますか?それにしても豪華なドレスばかり。どれも素敵ですね」


「…私はどれでもいいわ。ソフィアが適当に選んで。」


髪を結い上げ化粧をして舞踏会の準備が整った。


ルーン王子から贈られた中から淡いブルーのドレスをソフィアは選んだ。裾のレースが歩くたびヒラヒラと可愛らしかった。刺繍もとても繊細で、アリスはとても美しかった。

舞踏会の会場に着くと既にたくさんの招待客がホールを埋め尽くしている。


アリスが中に入ると皆が視線を向けた。


中央には待っていましたと言わんばかりのルーン王子が早速アリスの手を取りエスコートした。


「ドレス、とても似合います。」


「…ありがとうございます。たくさんご用意して頂いたみたいで…」


曲が変わり皆がダンスを始めた。


ルーン王子も膝を付き、アリスに手を差し伸べた。


「一曲宜しいですか?」


「…はい。」


ルーン王子とアリスがダンスを踊っていると遅れてアンナとシドが到着した。