部屋に入るとアリスは中にいた者をみんな外に出し扉をピシッと閉じた。


「あの…」

「シド!私の側から離れないで。」


え??

突然のアリスの言葉にシドは目を丸くした。

アリスはソファに座ると深く溜息をついた。


「…私、苦手なのよ!ルーン王子が!!」


「どうかしたのですか?」


アリスは腕を組むと眉間に皺をよせた。


「…あの人、昔他の国の舞踏会で初めて会った時からなんていうか…距離が近くて。。国王には内緒にしてたんだけど何度か手紙も貰って、今回はわざわざ自国に招いたり…それにこの部屋!!」


アリスは立ち上がり顔を赤らめて拳を握った。


「ルーン王子とこんなに近い部屋…!!3日も滞在するのよ。とにかくシド!この3日間は私の側から離れないで!」


興奮気味のアリスにシドはポカンとしてしまった。

「…ですが、私以外にも警備はたくさんいます。それに、今からアンナ隊長と少し街に出る予定で…」


「…ダメよ!」


アリスは部屋のドアを開けると外で待っていたアンナのところへ向かった。


「アンナ、シドと街へ出る予定のようだけど、シドはここに残るわ。ごめんなさい。誰か他の人と行ってもらえないかしら。」

「…え?あ、分かりました。」

「ありがとう。みんな、部屋に戻って。」