二日間、アリス一行は問題なく順調に進みアネモネ国境付近までやって来た。


「…今回の訪問はアネモネ国第一王子のルーン様からアリス様に来国の申し入れがあったんだ。ルーン王子はアナモネアの時期国王。正義感の強い方で国民からの指示も熱い。」


「アンナ様、アネモネ国に詳しいですね。よく勉強なさってる。」

シドは感心して言った。

「…いや、叔母がアネモネ出身なんだ。それにしてもルカから何も連絡がないのが気がかりだ。キトの行方は分かったんだろうか…」


馬車は国境を超えてアネモネ国に入った。


小一時間ほど馬車を走らせるとアネモネ国の王都、アルベーヌに到着した。


王宮は周りを森に囲まれた自然豊かな場所にある。

巨大な木に囲われ外からは建物は見えない。

門をくぐり一直線に伸びた道を進むとようやく城が見えてきた。


「アリス様、到着致しました。」


アートが馬車の扉を開けてアリスは外に出た。


城の門の前でルーン自らとその側近達がアリスを出迎えた。