「君のツンを甘く変える。」

「半分持とうか?」




「ううん。俺が持つから、なみちゃんは教室の扉開けて。」




「わ、分かった!」




大人しいトーンで話しているのがなんか、違和感で、ドキマギしてしまう。




ガラガラッ




教室には誰もいなくて、綺麗な夕日が見える。





「「きれーーーい!!」」




「「あっ!!」」




私と慧君の声が重なって、思わず笑いあった。




「じゃあ、やっていきますか!!」




私がそういうと、慧君が私の席の前に座った。




ただ、ぱちぱちとホッチキスの音だけが聞こえる。




なんとなく、何も話さないでいるのは気まずいような、、、、、、




そう思って、私から声をかけた。




「慧君さ、ふざけなければ普通の男の子なんだね。」




さっき思ったことを言ってみた。





「普通?そうー?」




「うん。いつも、私のこといじってくるし、可愛いとか言ってからかってくるじゃん!だから、さっきあっちの教室で普通に話されたからびっくりした!」




私がそう言うと、声を上げて笑い出した。




「えっ!?おかしなこと言った!?」




「いや、あはっ、違うけどさー!!普通って!?俺は普通でしょー?」




「いや違うよ!!だって、ほら!!またいつもの慧君に戻ってる。」




すると、慧君はホッチキスを置いて机に肘をついて私のことをじっと見る。




「え?///// なに?」




「七美香はどっちの俺がいいの?甘々なほう?それとも、普通なほう?」




急に名前で呼ばれてドキッとなる。




そんな、どっちなんて、、、、、、