ギターが大好きで、よく土手でギターを弾きながら歌うことがある私。


どちらかというとさっぱりした性格なので、人目とかはあま
り気にしない。



 いつものように土手に座り、有名な曲を歌っていると近づいてくる人の気配がした。


こんなに近くまで来る人なんて珍しい、そう思って振り返ると、眼鏡をかけた男の人が私を見ていた。


「何か用ですか?」

「あの、いつも声綺麗だなと思って。よかったら一緒にどうですか?」


彼はギターを背負っていて、彼もまたギターを弾きながら歌うことが好きらしい。



 あれから一年。


私達はいつしか恋人という関係になっていて、土手でギターを弾きながら二人で歌うことが日課になっていた。


 土手に座ると澄んだ川が見えて、横を向くと大好きな人が笑っている。


こんな幸せがずっと続くように、私達は今日も歌う。