お昼すぎ。
山本さんの死が、クラスに大きな衝撃を与えた。
いきなり膨れてゆき、破裂する。意味のわからない現象に、怖がってパニックになっている人も居る。

「うわあああああああああああぁぁぁ」
山本さんの遺体の辺りから声が聞こえてきた。
「何だ!?」
クラスは騒然とした。
廊下に出てみると、山本さんの遺体に寄り添っていた友人が、
どんどん膨れてゆく。
「く、るし、い、たすけ、て、お、かあ、さ、ん」
そう言い残し、
破裂した。
肉片と血が飛び散った。
2人目の『死』に、学校はもう授業所の騒ぎでは無くなった。
「次はわたしが破裂するかもぉぉぉぉ!いやああああぁぁぁ!」
叫んで、玄関に走っていく女子生徒。
早く外に出ようと、皆が走った。しかし、桜田学園は古い学校だ。
ドアの立て付けが悪くドアが開かない。
窓を割ろうとするも、防犯ガラスだから頑丈だ。
一斉に叩いても、ヒビすら入らない。
窓も、割れない。
「くっそがああああぁぁぁ!」
叫ぶ男子生徒。
泣いて暴れる女子生徒。

「うちに帰りたい…」
私は呟いた。

生徒はガラスを割ろうと、ガラスにものを投げている。
上靴や傘、石など、投げても投げても割れない。

突然、10人位の生徒が、苦しみ出した。
「ま、まさか…」
私と花は、ふと、嫌な予感が頭によぎった。

『破裂するのではないか。』