「少しでも早く、アオイを助ける魔法を使いたくて。最近調子が良いみたいだから、この感じを忘れたくなくて」
「気持ちは分かるがなあ…」
ため息をつきながら、やれやれとストーブに薪を入れる。
「いつもより早めに帰るんじゃよ」
「えぇ。テッドにも言われたわ」
そう言った瞬間だった。
ドゴォンと大きな地響き。
あまりの衝撃に声も出ず、身体が硬直した。
何が起こったか分からない。
大木の中は暖かく、何も変わらない。
お爺さんがゆっくりと扉の方へ歩き、ドアノブを掴んだ。
「開かない…」
「え!?」
「木に降り積もっていた雪が落ちてきたか…」
お爺さん曰く、その雪が扉を封鎖してしまっているとのこと。
「そんな…どうしたらいいの?」


