もうすぐ出来そうなのも本当。
最近は著しく魔法の成功率も上がり、お爺さんの顔も眉が上がり気味だ。
本だって浮かせられるし、ろうそくに火だって付けられる。
ボロボロの服を出来たての新品に変えることだって出来る。
身体が小さくなる飲み物と、身体が大きくなるビスケットも作れるようになった。
「絶対にここ以外で魔法は使ってはいけません」のお爺さんとの約束もきちんと守っている。
大木の麓の近くは更に雪が降り積もっていて、一足一足雪に埋もれながら歩いた。
ようやくたどり着くと、お爺さんは慌てて暖かい紅茶を出してくれた。
「こんな雪の中、今日は休んで良かったのに」


