「相思相愛じゃないか」



何も考えていない五月うさぎが角砂糖を積み上げながらテキトウなことを言う。



「相思相愛って…」



復唱してみるが、なんだかしっくりこない言葉に困った顔。



それを遮るように、時計屋のテッドが積み上げた角砂糖を指で弾いて壊してみせた。


「あぁっ」と五月うさぎが残念そうな顔をする。


「確かにアオイ・マーチンの言うことと、今アリスが言ったことはお互い一致している。“これからも一緒にいたい”ってね。だけど、アオイ・マーチンには保護者とは違う感情が入っている。アリスはそこに気付いた。だからここに来たんでしょ?」



「えっと…」


困った顔をやめられないあたしに、木の上にいたはずの猫のマリが、テーブルの真ん中に降りてきた。



「認めなよ。あの側近はあんたのことが好き。恋愛としてね」



「そんなっだってアオイは、小さい頃から一緒で、ずっとあたしの側にいて、ずっとあたしの…」