「ねえ、アオイはどこ?少しお茶を飲んで休みたいわ」


ため息をつかないようにと気を付け、アオイを呼んだ。


「お嬢様、こちらです」



するとまるで魔法のようにどこからともなく、側近のアオイが現れた。



「部屋にいるわ。アールグレイのホットミルクティーをちょうだい」

「かしこまりました」


丁寧に一礼したのを確認すると、あたしはくるりとまわり自室へと向かった。


同時にドレスがふわりと浮く。


女王がそれを嬉しそうに見ているのが分かる。



鬱陶しい。



1人になった途端、大きな大きなため息を吐いた。



真新しいドレスのまま、天蓋付きのベッドに横たわる。


シワがつこうが構わない。

女王が気付いたら怒るかもしれないと考えてしまう自分も鬱陶しかった。