城に帰ると、あたしの行方を探してトランプ兵たちが大騒ぎしていた。



「お嬢様!探しましたよ!今までどこに……お嬢様?」



涙は止まらなかった。


アオイはあたしの涙を見て、叫ぶのをやめた。



「お嬢様?どうなさいました?」


「アオイが、アオイが悪いのよ。どうして言ってくれないの……アオイは今、何歳なの……」



気まずそうに「あー……」と掠れた声を出す。



「お嬢様、また森に行ったのですね」


「もう、誤魔化さないで……」


「時計の話、聞いたのですね」



「ええ、聞いたわ。あなたはどんな気持ちで生きてきたの?どんな気持ちであたしの側にいるの?

どんな気持ちであの時、あたしにアルバムを見せたの?」



本当は気付いて欲しかったんじゃないの?


孤独で悲しい自分のことを。