「待ちなさいってば。お誕生日様のプレゼントを奪うなんて無礼なうさぎ!死刑だわ!」



ドレスを捲し上げ、必死で追いかける。




別にその鏡がどうしても欲しかったわけではない。



どうしても取り返したかったわけではない。



なのにこんなに必死に追いかけてしまうのは、きっと退屈な毎日から抜け出したかったから。




心のどこかの無意識でこのうさぎが非日常へと連れ出してくれるのではないかと期待していた。




が、うさぎの姿は途中で途絶えてしまった。