毎回毎回記録更新されていく、告白回数。



私はいまだ、返事をしたことがない。



「……っ、私は」



「近永っ」



私の声を遮るのは、焦ったような山田の叫び。



「いったぁぁ!!」



私をかばった山田が、背中をおさえてしゃがみこんだ。



……不幸体質の、私。



守ってくれる、山田。



返事をしようとするたびに起こる、不幸。



守ってくれる、山田。



バカ(好きな人)に告白されて、喜ぶたびに、プラスマイナスゼロにするためなのか、襲ってくる不幸。



今日は、野球ボールが飛んできた。



私をかばおうと、とっさに抱きしめてくれた。筋肉質な腕と、血管の浮き出た手の甲が、私を熱くしたのも一瞬で。



すぐに山田を心配する気持ちに変わる。