ほんとうに怯えた様子の子たちもいるけれど、私はこういうのは結構平気なほう。


むしろ、怖いもの見たさ……というか、ちょっと楽しみかも。

なあんて、ひそかにうきうきしていると、割り箸でつくったクジが回ってきた。



今回の肝試しでは、ふたり一組で回るんだって。
そのペアを決めるためのクジ引きだ。


山田くんがわざわざ作ってもってきてくれたみたい。



「あ、そういえば、このクラスは奇数人だから、ハズレを引いたひとは一人で回ってもらうからな」



あ、そっか、たしかに。
ふたりずつでペアを組むと必然的にひとり余りが出るんだ。



「ええ、ハズレとかやだあ〜〜っ」

「ひとりだったら腰抜けちゃうかも」



わちゃわちゃ言いながらみんなクジを引いていく。
私もひょい、と割り箸を引き抜いて、クジの結果を確認すると。



星印……?
割り箸の先に書かれた星に、はて、と首を傾げたタイミングで。




「あ! そうそうハズレのクジには星マーク書いてるから」




山田くんの声。

……ってことはだよ。