「ひかちゃん! こもりん!」



後ろから、たったと駆け寄ってくる影ひとつ。



「みなみちゃんっ、おはよう〜!」

「おはよーっ」




振り向けば、それは麗しきみなみちゃんだった。


今日は運動するからか、いつもは下ろしている長い髪をポニーテールに纏めていて、それもすごく似合っている。


うーん、もともと可愛いけれど、ポニーテール姿はレアだから、今日は男の子たちがますます釘付けだろうなぁ。



「みなみは何の競技に出るの?」

「サッカーだよ」

「わ!同じ!」



こもりんの問いに答えたみなみちゃん。
それにすぐさま反応すると、みなみちゃんはにやっと口角を上げて。



「負けないからね?」

「んふ、それはこっちのセリフ!」



トーナメント戦だから、お互い勝ち上がっていけば、いつかみなみちゃんのクラスとも対戦することになる。


せっかくだから、一緒に試合してみたいよね。頑張らなきゃ。




サッカー、かあ。

みなみちゃんがサッカーを選んだのって、きっと篠宮くんの影響だろうな。

そう考えるのが自然で……でも、とそのまま考え込んでしまいそうになったとき。




「てか、今日のみなみ、なんかいい匂いしない?」