「頭の使い方が下手そうって! そんな言い方はあんまりじゃない!? ちゃらちゃらしたことしか考えてない佐和くんの方がどうかと思うけど!!」
おたんこなす。
あんぽんたん。
次に佐和くんに投げる言葉を考えているところで、はっと我に返った。
教室中が私に注目している。
理由はもちろん、立ち上がって、さらに大声をあげたから、だ。
「す、みません……」
肩を縮こめながら何事もなかったように座る。
すると。
「久住ー」
「ひっ……!」
追いうちをかけてきたのは、ニッセンの声。
思わず小さく悲鳴をあげた。
この気だるげな担任は、
気だるげなくせに、目をつけられると面倒くさい。
「授業中に立ち上がるのも、大声をあげるのもアウト。ついでに、授業に関係のない私語も駄目だ。よって、3アウト」
「……はい……すみません」
「そこでだ」
ニッセンの目が私をしっかりとらえている。
私はさながら蛇に睨まれた蛙。
ニッセンの言葉にこくこくと頷くことしかできない。
「来週プール掃除を誰かにしてもらおうと思っていたんだ。それを、久住に命じる」
「……!」



