最後の一問に、きゅっと丸をつけて。
あーあ、と面白くない気持ちになった。




この人、また満点だ。

すでに何回か小テストの採点をしたことがあるけれど、未だに満点しか見たことがない。




「はい」




佐和くんに採点した用紙を返すと、引き換えに自分のが返ってきた。



10点満点中、9点。


間違えたのは、最後のイオン反応式の問題だけだった。



1問間違いで済んだのだから、なかなかの出来じゃない?なんて思っていると。



「こんなんもできねえの?」




隣の席からねちねちとした嫌味が飛んできた。


むっ、と頬を膨らませて佐和くんの方を振り向く。




「なにか文句でも?」

「別に? ただ、去年習った基礎の範囲なのに解けないんだ?って思っただけ」




ぴきっと、頭の中で嫌な音がする。

ああもう。



一度や二度じゃない。
私の小テストを採点し終えた佐和くんから嫌味たっぷりな言葉をかけられることは。




だから堂々とランクインしているわけである。


佐和くんの隣の席が最悪である理由、BEST3に。