可笑しそうにくすくす笑うハル。
目尻に寄った皺を見つけて、少し心が浮ついた。
笑うと目尻に皺が寄るところ、
昔から変わらないハルの好きなところ。
「そうかなー?」
「そうだよ。珍しいっていうか、初めてかも。花乃って苦手なタイプの人には突っかかっていくより避ける傾向にあるでしょ」
たしかに、そうかも。
でも佐和くんは─────と考えたところでめらめらと怒りの炎が燃え始めた。
私だって好きで佐和くんに突っかかって行ったわけじゃないもん。
あれは、ただ不可抗力だっただけ。
「花乃、眉間に皺寄ってる」
「……っ!」
ハルの指先が、とん、と優しく私の眉間に触れて。
嘘みたいにすうっと皺が消えていくのがわかる。
……私は、単純だ。
「まあ、花乃が楽しそうでよかった」
「楽しくなんかないよっ!?」
どこをどう聞けば、私が楽しそうだと解釈できるんだ……。
頭を抱えたくなったけれど、ふわふわと呑気に笑っているハルを見るとそんなことどうだって良くなってくる。



