墜落的トキシック

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「ハルっ! ごめん、待たせちゃったよね」

「ううん。全然大丈夫」




下駄箱に背中を預けて、立っていたハル。

私が駆け寄ると頬をゆるりと緩めた。




「帰ろっか」

「うん」




ふたり並んで歩く帰り道。

帰り道だけじゃない、朝の登校も同じだ。




小学生の頃も、中学にあがっても、
そして高校生になっても。




私の隣にはいつもハルがいる。





「そういえば花乃って今日の放課後、何用だったの?」


「あー……、えっとね」





そういえば、詳しいことはハルには伝えていなかったかも。




毎日登下校を共にしていると、そりゃあどちらかが都合の悪いこともあるわけで。


そういうときは、LIMEで連絡するようにしているのだけど。





[ ごめん、今日の放課後ちょっと遅くなる! ]





たしかに昼休みが終わる直前に送った、この文面では詳細はまったくの不明である。




そんな中、待っていてくれたなんて。

ハルには気の毒なことしちゃったな。