そのまま豪快に笑いつつ、佐和くんは口を開いて。
「もうちょっとマシな柄、他になかったわけ? それかシンプルなやつとか」
「これしか持ってないし! プリンじゃ不満なのっ?」
どこがツボだったのかは全くわからないけれど、佐和くんはくっくっく、と喉を鳴らし続けている。
……どれだけ笑うの。
「不満っていうか、滅茶苦茶ダサい……」
ダサいっていうの、もう2回目。
佐和くんの肩は小刻みに震えている。
いくらなんでも、笑いすぎじゃない?
「そこまで笑わなくたっていいじゃん……!」
「ふはっ、まじで、おまえのセンスかなり疑うんだけど」
「大好物なの!! プリン! 美味しいし、可愛いでしょっ!?」
総柄プリンの絆創膏、お気に入りなのに。
お気に入りのものを佐和くんなんかに貼ってあげたというのに、この言われよう。
ふてくされて、ふいっとそっぽを向くと佐和くんの声が追いかけてきた。
「いーよ。ダサいけど、なんか一周まわって気に入ったし」
気に入ったと言いつつ、しっかり貶すことを忘れてはいなくて。
ますます、むっとした私の頭に佐和くんはぽん、と柔く触れる。



