墜落的トキシック



それっきり会話は途切れて。

ただ黙々と資料を整理していく、流れ作業。





作業をしながら気がついたのは、私と佐和くんは非常に相性が悪いってこと。

とにかく息が合わないのだ。





佐和くんがまとめた資料を渡してくるタイミングが悪すぎてカチンと頭に来るし、その反対もしかり。


我慢しているみたいだったけれど、佐和くんが苛立っているのは手に取るようにわかった。





「───はい、これで最後」





単調な作業を何度も繰り返して、やっと。


私が手渡したファイルを佐和くんが、棚に収めて、終わった。




入ったときより幾分もすっきりとして広くみえる化学準備室を見渡して、息をつく。




時計を確認すると、そんなに時間は経っていなくて驚いた。
……体感時間はすごく長かったのに。





「じゃあ、これで解散ってことで」


「っ、ちょっと待って!」




そそくさと出ていこうとする佐和くんを慌てて引き止めた。





「あ?」

「シャーペン、返してよっ!」