「別に久住さんにどう思われようが構わないけど」
涼しい顔で返されて、私ばっかりが子供っぽく逆上しているような状況に悔しくなる。
なんでこんな人のことを一瞬でも、紳士かも?なんて思ったんだろう。
……っていうか、今思い出したけれど。
危険な作業を担当してくれるとか、助けてくれたとか、それ以前に。
そもそも、これは全部佐和くんの仕事だった。
忘れそうになっていたけれど、大前提として私は佐和くんに半強制的に手伝わさせられている途中である。
「……なんで私に手伝わせたの?」
あれほどテキパキと作業ができるなら、佐和くんひとりでも十分だったはず。
助っ人を頼むにしても、佐和くんならもっと従順に手伝ってくれる人が他にたくさんいただろう。
あえて私を選ぶ必要なんてどこにもない。
そこが、不可解。
そう思って聞いたのに。
「いや、何となく」
「はい……?」
全然答えになっていない。
意味がわからない、と眉を寄せた私を
頭のてっぺんから足先まで視線でつう、と辿って。
佐和くんはちょっと首を傾げた。



