墜落的トキシック



「体調はどう」

「どう、って。……さっきよりは、良いよ」

「あっそ」



なんて愛想のない返事。
だけど、心配してくれているんだな、ということはなんとなくわかった。



「冷えピタ替えるぞ」



返事をする前に、べりっとおでこから温くなった冷えピタを剥がされる。

……まず、貼られていたことに気づかなかった。いつの間に。


なんて考えていると。




「ひゃっ!」



いきなり冷たい感触がおでこにきて、思わず声を上げる。

何の合図もないなんて、さすがは侑吏くん。
容赦がないというか、なんというか。



冷たさの次に、薬品の匂いが鼻をつん、とついて顔を歪めた。

……苦手だな、やっぱり。


気落ちしていると、侑吏くんが。




「やるよ」

「え?」

「……食え」



ことり、と目の前に置かれたそれは。



「……プリン?」



購買で売っているプリンだ。
言わずもがな、大好物。


驚いて目を丸くする。



「買ってきてくれたの?」



わざわざ?
私のために?



「……おまえが寝てる間、暇だったから」

「ふ、」



思わず笑みが零れた。
暇だったから、って。何だそれ。