「はい、ご褒美」

「プリン……!」


とん、とハルがローテーブルに置いたのはプリン。それからスプーン。

お気に入りの銘柄のだ。
さすが、よくわかっている。



ハルの家の冷蔵庫にはプリンが常備されている。ハル自身が食べるところは見たことがないから、私のためだ。

優しくて、その優しさにほっとする。



ふと昼間に侑吏くんと食べたアイスを思い出して、これでプリンまで食べたら完全にカロリーオーバーだな、なんて一瞬ためらったけれど。

まあいっか。頑張ったもんね。



心の中で言い訳しつつ、プリンの蓋を開けて一口すくう。
口の中に放り込んで、んん、と悶えていると。




「……佐和とはうまくやってる?」

「っ、え……、普通だと思うけど」




急に投げかけられた質問に戸惑いつつ答える。

侑吏くんのことを思い出しついでに、昼間の────舐められた、舌の感触を思い出して、無意識に頬がじわりと熱くなった。


だけどその直後、そう、と相槌を打つハルの声に違和感を覚えて首を傾げる。



「侑吏くんとハルってどういう関係なの?」

「俺と佐和?……何もないけど、どうして?」



だって。



「ハル、侑吏くんのこといつも気にしてるよね」