その音に驚いて。
扉が開いた隙間から差し込む光がまぶしくて目を細める。
その光の向こうに見えた人影は。
「花乃っ?」
「っ、侑吏……くん?」
「やっぱここに居たか。……って、おまえ泣いてんの?」
驚きの余韻もなく、ずかずかと倉庫の中に入ってきた侑吏くんは私の赤くなった目頭を指して目を見開いた。
慌てて目元を手で覆って。
「泣いてないっ!」
ぷい、と顔を背けると「ふーん」とどうでも良さそうな返事が返ってくる。
「で、花乃は何でこんなとこに閉じ込められてんだよ」
「かくかくしかじか、だよ」
「何だそれ」
「ちなみに、半分くらいは侑吏くんのせいだから」
嘘だ。侑吏くんが絡んでいるのは事実だけど、何も悪くない。
腹いせに八つ当たりしてみただけ。
嫌味でも返ってくるかと思ったのに、侑吏くんの反応は意外にも。
「あー……、悪かったな」
素直に謝る侑吏くんなんて、レアだ。
変なの、と思ったけれど、それより。
「……どうして、来てくれたの」
ここ、体育館倉庫は人気のない場所にある。
通りがかりに、じゃなくてわざわざ探しに来ないと見つからない。
ましてや、鍵もかかっていて。
純粋に首をかしげた私に、侑吏くんはばつが悪そうに顔をしかめた。
そして。
「……ヒーローは最後に現れるもんだろ」
「は?」
「……」
「ヒーロー?」



