墜落的トキシック

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【SIDE 花乃】



「う……ん?」



薄くまぶたを開けると、見覚えのある天井。


身じろぎすると、グリーンを基調にした部屋が目に入る。
まだぼんやりとする思考回路で、ハルの部屋だ、と理解した。



「花乃、起きた?」

「ハ、ル……」



優しい声。
ハルは、ベッドに横たわる私の顔をのぞき込んでゆるく微笑んだ。



「何か、飲み物でも持ってこようか」



そう言って、部屋を出て行こうとするハルの部屋着の裾を思わずつまんで引き止めた。



「あの、私……」



混乱と困惑。
まだ状況が飲み込めずにいる私が、縋るようにハルを見つめると。



「気を失ってたんだよ、廊下で。それでそのまま俺がここまで」



そうだ、雨。



思い出した。

教室に戻ろうとしたら、雨が降ってきて、それで。



あのとき感じた悪寒を思い出して喉がひくついた。
背中にシャツがべったり張り付いているのも、そのときの汗のせいだ。



「ごめん。重かったよね、それにベッドまで借りちゃって」

「そんなのいいよ。気分はどう?」

「たぶん、大丈夫」




ようやく頭も回ってきた。

安心したようにほっと息をついたハルを見て、なにより重要なことを思い出す。