墜落的トキシック

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【SIDE 侑吏】



放課後、空き教室。
漂うのは熱気と欲にまみれた匂い。


目の前の女の上気した頬、恍惚とした表情を一瞥して身体を離した。



顔も相性も中の上くらい。
まあ、及第点ってところか、と頭の中で点数をつける。


そういえば、こいつの名前……なんだったけな。



快楽のために幾度となく繰り返した行為を終えて、乱れた制服を直す。



その最中に、ザアッと雨音が鳴りはじめて。
ああ、今日は雨か、なんて思ったタイミングで。



─────ドサッ


「……?」



突如、閉め切った扉の向こう、廊下の方から物音がした。


何の音?



音だけでわかるはずもなく、
ただ……ただ、なんとなく嫌な予感がする。




不穏な気配が肌をぴりつかせて、眉をひそめて。
気づけば、空き教室を飛び出していた。


後ろで取り残された女が俺に向かって何かわめいたようだったけれど、無視。



嫌な予感の原因は、探すまでもなかった。





「花乃っ?!」





自分の口からとっさに出た声が、思ったよりも切羽詰まっていることに驚きつつも。

廊下に出てすぐ、視界に飛び込んできた “かたまり” に近寄る。



床に転がって苦しげに目を閉じているのは、やっぱり久住花乃で。




「おい、どうした?」




軽く身体を揺さぶってみるも、反応がない。
眠っているのか?


いや、気絶……意識を失っている?

あの音は、こいつが倒れた音だった?