「……プリン、シェイク」
渡されたのは缶入りジュース。
ラベルの文字をそのまま読み上げた。
缶の前面には大きくプリンのイラストがデザインされている。
ごくり、と喉を鳴らした。美味しそう。
だけど、どうして……?
「これ、私に?」
戸惑いを隠せないまま首を傾げた私に、佐和くんは飄々と答える。
「まあ、おまえなりに頑張ったんじゃない」
「……?」
主語の欠落がひどい。
理解できずに眉をひそめると。
「ご褒美だっつってんだよ、一応」
つっけんどんな言い方。
その口調には微妙に照れのニュアンスが混ざっているような気がした。
……変な佐和くん。
可笑しくなってきて、思わず口許がゆるむ。
んふふ、と笑い声を零した私に、佐和くんがじろりと冷たい視線を向けてくる。
『なんだこいつ』と言わんばかりの。
「これ、食堂の横の自販機のでしょ」
「……よく知ってんな」
どうやら当たりだったらしい。
驚いた様子の佐和くんに、ふふん、と胸を張る。
だって。
「この前、ハルが教えてくれたの。 私が好きそうなのが自販機にあるって! ハル、私の好きなもの、よくわかってるから。それにハルはとっても優─────」
「ハルハルうるせー」
あれ、急に不機嫌。
ぎろりと睨まれて、慌てて口をつぐんだ。
佐和くんって相当な気分屋なの?
さっきまでは、普通だったのに。



