墜落的トキシック

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佐和くんの手にかかれば、課題プリントなんて一瞬だった。


気づいたら空欄はすべて埋まっていて。
……私があんなに悩んだ時間を返してほしいくらいだ。



完成したプリントを職員室まで提出しに行くと、学年主任の先生から一発オーケーをもらった。

なんなら、ちょっと褒められたし。



……書いたのは私じゃないけれど。
さすが、佐和くんというべきか。



ちなみに職員室に行ったのは私一人だよ。




『おまえが行ってこい』と偉そうに指図されて、むっとしたものの、課題自体にあまり貢献できなかったから。

『はいはい』と二つ返事をしたまでである。




そして、今は職員室から教室に戻ってきたところ。




どうせ佐和くんは、私をパシリにして自分だけさっさと帰宅しているんだろうけど、なんて考えながら戸を引く、と。





「……っ、なんで、」





まだいるの。


他に誰一人もいない教室。
まるで私が帰ってくるのを待っていたみたいに、ぽつんと座る一つの影。




絶対もう帰っていると思っていたのに。



だって、お家芸でしょ。
私をこき使ったあげく、気持ちを全然配慮しないのなんて。




頬杖をついてこっちを向いた佐和くんを、信じられない気持ちで見つめていると、突然。




「っ!?」




佐和くんが、振りかぶったかと思えば。
次の瞬間、ひゅん、と何かが飛んできた。




危な、と思いながらぎりぎりのところで飛んできた物体をキャッチする。



「っ、つめたっ」




ひんやりとした感触に驚いて。

一体何を寄越したんだ、と確認する、と。