ともあれ、熱意の差が顕著だったのだ。
あまりの温度差にいたたまれなくなるほどだった。
ていうか、実行委員なんて、普通はこういうことが好きな人が適任でしょ。
私たちのクラスにだって、探せばもっとふさわしい人がいたかもしれないのに。
HRで決めるのが面倒だからって押し付けてきたニッセンのこと、やっぱりしばらくは恨み続けることになるだろう。
だってニッセンの斡旋さえなければ、私は今、こんなところにいるはずがなかったんだもん。
「……はあ」
がっくりと肩を落としながら会議室をのろのろと出る。
手にしたプリントをぼんやり眺めながら、盛大にため息を吐いた。
先生から実行委員にクラスごとに配られたプリント。
来週に提出するように指示された、課題シート、なのだけれど。
「はー……」
プリントの文字列に目を通したところで、ため息二回目。
〈どんな修学旅行にしたいか〉だとか、
〈実行委員としての意気込み〉だとか、エトセトラ。
修学旅行自体のことというよりは、実行委員としての心構え……的な。
やる気と熱意が問われるような質問がずらっと並んでいる。
こういうの、苦手なんだってば、と心の中で毒づく。
────あ、でも。
佐和くんなら、さらっと埋められそう。
外面だけは完璧な佐和くんのことだから、こういう質問でもテキトーに答えてしまえると思う。上辺で。
そういうところが気に食わないのだけど、ここは佐和くんを頼るのが最適解かもしれない。
なんて考えながら、佐和くんを振り返ると。
「久住さん、それ適当に書いといて。よろしく」
ちょうどそのタイミングで、彼は口を開いて、トンデモ発言をした。