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数週間後、放課後。



「じゃあ、来週中にそのプリントを提出しに来ることー」




学年主任の先生の言葉を合図に皆わらわらと会議室を後にする。

どうやら今日はこれでお開きらしい。



皆がわいわいきゃっきゃと賑やかに、そそくさと会議室を出ていく中、残されたのはのろのろと立ち上がった私と。




「……だる」




台詞通り、だるそうにあくびを繰り返す佐和くんのふたりだった。



つい先ほどまでここ、会議室で行われていたのは修学旅行実行委員会。

記念すべき第一回目。




プール掃除の日以降も、ニッセンに実行委員を何とか誰かと替わってもらえないか、私は何度も交渉していたのだけど。



抵抗もむなしく、結局佐和くんとふたり、参加する羽目になったのである。




ちなみに、HRで私と佐和くんが実行委員をするとニッセンが発表したときの麻美の反応はというと。



ぽかーんと口を開けて驚いたかと思えば、その一瞬のちには爆笑だった。




私への同情心のかけらもない。

こちとら全く笑い事じゃないんだっていうのに。





────そんなこんなで第一回委員会を終えての感想は。





「なんか……場違いだったよね。私と佐和くん」





ぽつりと呟いた私の言葉に、佐和くんも頷きはせずとも反論しなかった。



仕方ないから、と出席した私と佐和くんとは対照的に、他のクラスの実行委員のひとたちは、皆やる気に満ちていて。




たぶん、自ら手を挙げて立候補した人たちなんだと思う。


リーダーシップをとったり、なにかを企画したり、そういうのが好きかつ得意そうな顔ぶれだった。




明らかに、私と佐和くんだけ浮いていたの。




……いや、傍目には佐和くんもそういうタイプに見えるんだけどね?


仮にも学級委員長だし。



ただ、その中身はとんでもないのだから、見た目がどうであれ、ここでは私と同じ分類にしておく。