……?
声色がいつもと違う。
少しの違和感を感じながらもハルの質問に答えた。
「うん。……あ、でも途中で」
「佐和侑吏。手伝ってくれたんだ?」
「っ! うん、手伝……っていうよりは乱入、だったけど」
思い出して少し眉を寄せる。
そして、はたと気づく。
「なんで佐和くんってわかったのっ?」
私まだ、佐和くんが、なんて一言も言っていない。
なのに、ハルは断言した。
確信を持っているようにさえ見えた。
純粋に吃驚する私を見つめて、少しの間口をつぐんだハル。
そして、突然ふっとゆるく微笑んで。
「本能……かな」
「っ、なに、それ」
「男には色々あるんだよ」
戸惑う私に、はっきりとは答えずに。
曖昧な言い方で言葉を濁す。
そして、ハルは私がシャツの上に羽織っているジャージを指差して。
「もしかして、それも佐和の?」
「あー、うん。掃除中に頭から水かぶっちゃって……それで」
自分で説明するには恥ずかしい出来事だ。
えへへ、と笑いながらごまかした。
「やっぱり。花乃にしてはずいぶん大きいの着てんなあ、って思った」
あ……もしかして。
ジャージの名前を見て気づいたのかな、とマジックの種を見つけたような気持ちになったけれど。
鞄のひもの部分で、刺繍はちょうど隠れていて。
どうやらその線は違ったみたい、と悟る。



