校則違反のピアス
乱れた口調

極めつけは彼女でもない子と “そういうこと” をしてること。




「……さ、さいてー……」




私の頭の中で王子様のように築き上げられた佐和くん像がガラガラと音を立てて崩れていく。

酷い。あんまりだ。



思ったままに声にすると、佐和くんは眉間に皺を寄せた。




「最低……?俺が?」




ここには私と佐和くんのふたりしかいないんだから、そうに決まってるじゃん、なんて思いながら口を開く。




「……もっと爽やかでいい人だと思ってた」

「意味わかんない。爽やかならいい人なの?」



そんなの知らないよ。

でも。



「佐和くんのしてることは駄目なこと!」



ムキになって言い返したけれど、佐和くんは気にも留めずに肩をひょいとすくめた。




「うわ、面倒くさ。久住さんて仁科とどこまでやってんのか知らないけど、厄介純情じゃん。俺なら絶対願い下げ」