「それで、検査結果ですが、診察室に来ていただきたいんですけど。」
新川先生は、ちらっと私を見てからお母さんに伝える。
「菜摘さんは、ここで休んでいただいて結構なので、お父さんとお母さんだけきていただけますか?」
「あ、はい。もちろんです!」
いつもより、少し高めの声のお母さん。
…やはり、新川先生のかっこよさにやられてしまったか。
心なしか、お父さんの顔は曇っているようにみえる。
「私も行きます。結果聞くくらいできます。」
起き上がりながら言うと、新川先生に優しく肩を押されてもう1度寝かされた。
その動作についついきゅんとする私。
「また調子が悪くなったら大変ですから。」
そっと言って、水沢さんに目を向ける。
「水沢と話していてください。新人で、緊張してるだろうから。」
「…え!先生…っ」
本当に困ったような声を出す水沢さんに、私も笑みをこぼす。
「それじゃあ、そうします!」
水沢さんと仲良くなりたいし、そう思って水沢さんに笑いかけた。
「はい、水沢をよろしくお願いしますね。」
「え、えっ!!」
困っている水沢さんを見て楽しんでいるのか、ノリノリで私に言葉を返す新川先生。