私が、志望校を選択する理由のひとつに、お兄ちゃんやシュンくんの存在があった。
お兄ちゃんもシュンくんも1つ上だから、今はまだ高校1年生。
2年間を一緒に過ごせるのって結構楽しみだから。
「もちろん!ちゃんと合格するように勉強しろよ?」
「当然!心配だったら、また勉強教えてよ」
「はいはい、また、遊びに行ったときな?」
シュンくんは、お兄ちゃんと遊びに家に来た時、みんながゲームをしている間、たまに抜け出して私に勉強を教えてくれる。
塾でアルバイトをしているらしくて、分かりやすいんだよね。
「おい、シュン、お前こっちだから」
話しているうちに、気づいたら高校と中学の分かれ道に着いていたみたい。
「おー、そんじゃ、菜摘ちゃん、またね?」
「うんばいばい!お兄ちゃんいってらっしゃい!」
「おう、菜摘も」
そして、私は1人で中学校へと向かった。