「で、菜摘はどうだっ……ちょっと、大丈夫!?」


結果を聞こうと私を振り向いたお母さん。

普通にいると思った私がしゃがみこんでいたから驚いたんだろう。

予想外の大声で、私はついつい頭を押さえた。


「菜摘、今日倒れたんだよ。」

「え!?調子悪かったの!?早く言ってよー!」


そう言って私を立たせようとするお母さん。

立つと、貧血のときみたいに、頭が痛むしくらくらして前が見えなくなる。

私は、しゃがみこんだまま、お母さんに言った。


「今立つと、倒れる……気がする。」

「え!!そんなに…!?」

「こいつ、前々から調子悪かったんだよ、平気なふりしてたけど。」


お兄ちゃんの言葉で、お母さんの顔がひきつった。


「何で言わないのよ。」


怒鳴るわけでもなく静かに言い放つ。

お母さんが、本当に怒っているときの声だった。