そうして始まった球技大会。

しかし、私にとって大変な出来事はこれからが本番だった。


「…よっしゃあ!これ勝ったら決勝だぜーっ!!」


やる気に満ち溢れた綾羽。

それもそのはず。私達は順調に勝ち進んで、今は、ソフトテニスの準決勝。

これに勝てば約束通りの決勝戦が決まる。


私たちは、まだ正式に部活には入部していなくて。

綾羽は元バレー部。私は元バトミントン部。


バトミントンの経験があって、空振りはしないから人並みには戦えていた。


綾羽は、持ち前の運動神経をフル活用。
この短期間ですごい上達していた。

まるで経験者のようにスマッシュやら回転サーブやらをポンポンと打つ。


そんな感じで順調に勝ち進んできた私達。

今からは、準決勝で、現役テニス部の2年生と戦う。

普通に考えて無理なんだけど、綾羽がやる気だから。

綾羽のこういう時の勝負強さ、尋常じゃないから。

勝っちゃったりして。