「あんたたち!なに喧嘩してるのよ!?」 リビングにまで聞こえていたのかお母さんの怒鳴り声が聞こえてきた。 お兄ちゃんは、譲る気のない私の顔を見てか、すっと目を反らす。 「近いうちに絶対連れて行くからな」 そう言い残してリビングへと戻っていった。 ひとりになった私は、小さくため息をこぼす。 「…大丈夫だもん。普通、だもん。」 そう呟いた声は、静かな廊下に響いて消えていった。