「2人とも、今日はいっぱい動くからおかわりしていきなさいよ!」
お母さんがそう言ったから、私もお兄ちゃんも、おかわりをするように頼んだ。
「おう、もらう。」
「うん!おかわり!!」
そう言って、ご飯を盛りに行ったお母さんを待っているとき、
私は突然の吐き気に襲われた。
「あ、菜摘。今日さ……。…え、おいっ!菜摘!?」
お兄ちゃんが何かを言いかけたのを無視して、私は口を押さえ、洗面所へと走った。
何度も起こる吐き気にとにかく耐えて、治まるのを待つ。
「…げほ、げほ……っ。……はぁ。」
しばらくして、治まったのを感じた私は顔をあげる。
そのとき、視界に映った自分に、私は驚いた。
「……こんな顔。そりゃ、綾羽も恭弥も心配するよね。」
今にも倒れそうな青白い顔に、生気を感じられない目付き。
…調子悪いとき、私こんな顔してるんだ…。
初めて目の当たりにした自分の顔に、ショックが大きかった。